――なぜ数字と名詞を使う必要があるのですか?
松本: 「大きい」といっても、直径30センチのボールが大きいと思う人もいれば、東京ドームが大きいと思う人もいます。「大きい」などの形容詞だけでは相手は正確にイメージできません。数字と名詞を使うことによって、アピールのための大切な経験や実績を、正しく相手に伝えることができます。
「リーダーシップを発揮して」「周りから信頼されて」だけでは説得力がありません。「50人のメンバーを束ねるプロジェクトリーダーを5年やっていた」など、具体的かつ誰が聞いても分かるように数字と名詞を使って説明しましょう。
最後にエピソードを加えます。「さまざまな背景があるメンバーの現状を把握するため、1on1を月に一度実施した」「1人もメンバーを離脱させることなくプロジェクトを完遂した」「上層部からの意見は一度整理し、自分の言葉で説明した」などエピソードを加えることで、相手に「この人が言っていることは再現性があるんだ」と思わせることができます。
――企業がどういう人を欲しがっているかによって求められる強みは違うということは、どの企業に対しても同じ強みをアピールするのは非効率ということですね。
松本: その通りです。強みはコピペするのではなく、1社ずつ狙いうちする必要があります。「この会社ならこういう人が欲しいはずだ」「それなら私の中のこの実績とこの経験が通用するはずだ」など、ゲーム感覚でいいので、自分なりの仮説を立て、経験や実績を取り出し、数字と名詞とエピソードで語る。これを意識して、自分だけの強みを見つけましょう。
「前の会社の方が良かった……」 何度も転職に失敗する人の共通点とは?
「仕事を調整したのに部下の残業が減りません」 働き方を観察して見えた意外な事実
部下を叱るとき、「絶対に使ってはいけない」NGワードを教えてください
仕事はデキるが、部下はげっそり──「精神的パワハラ」を繰り返す上司はなぜ生まれるのか?
上司に大激怒される「悪い残業」と評価される「良い残業」 その違いとは?Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
Special
PR注目記事ランキング