他にも、最近よく目にする「iDeCo(イデコ)」というものがあります。これは個人型確定拠出年金のことで、国民年金や厚生年金などの公的年金とは異なり、加入するかしないかは任意です。加入の申し込みや掛金の拠出、掛金の運用の全てを加入者自身が行い、掛金と運用益の合計額を基に給付を受けられます。公的年金と組み合わせることで、より豊かな老後の生活を送るための一助となる仕組みです。
自営業者で将来の年金額が少なくなることが予想されていたり、退職金制度のない企業に勤めていたりする場合には、老後の生活における資金準備に役立つ制度なのですが、原則として60歳以降でないと老齢給付金を受け取れないため、今の生活で短期的に必要となる手持ち資金を充てることはおすすめできません。
賃金水準や退職金制度の有無、その他福利厚生の実施状況を調査する場合、比較的大企業からの回答が多く集まる傾向にありますので、前記の厚生労働省による調査でも退職金制度を導入している企業の割合が圧倒的に多く見受けられました。
一見すると退職金制度のない企業というのは魅力がないようにも見えますが、企業によっては将来の不確定な要素を考慮して、退職金という形ではなく月次給与や賞与額に上乗せし支給しているケースも多くあります。ただし、退職金には税法上の優遇があるため、給与や賞与で受け取った場合には退職金に比べて高い税率が適用されます。その辺りも複合的に考慮しながら就労環境を決めてはいかがでしょうか。
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