寝るだけで10万円? カルビーが「睡眠人材」募集 目的は「ねむパ」向上へ

» 2022年12月12日 17時00分 公開
[ITmedia]

 大手菓子メーカーのカルビーは、睡眠の質向上を目的に、自宅で参加できる「睡眠人材」の募集を始めた。同社の睡眠サポートプログラムに参加し、脳波測定などを実施してもらう。募集人数は5人で、謝礼は1人当たり5万円。睡眠スコアの改善が見られた場合は、追加で5万円を支払う。

カルビーは「睡眠人材」の募集を始めた(プレスリリースより)

 近年、コロナ禍による生活様式の変化などで、睡眠に課題を感じる人が増え、睡眠障害が社会課題となっている。同社は「睡眠時間は確保した上で、効率的に質の高い睡眠を取り、健康的な生活を送ってもらいたい」という考えから「ねむりパフォーマンス(ねむパ)」向上の施策として設計したという。

 「ねむパ向上プログラム」は、睡眠研究で知られる筑波大の柳沢正史教授が監修した。採用者は、脳波測定ツールを使用し、数日間の経過を測定。就寝の2時間前を目安に入浴、就寝前のベッドでのスマホ・SNSは禁止――などといった決まり事を守り、自身のSNSでねむパ改善記録を期間中・期間後に発信する。

「ねむパ向上プログラム」の概要(特設サイトより)

 同社は今年3月、睡眠の質(眠りの深さ)を高め、起床時の疲労感を和らげる睡眠サポート食品「にゅ〜みん」を発売。「可食性フィルム」の形状をしており、就寝前に水なしで、噛まずに食べることができる。今回のプログラムでも「にゅ〜みん」を取り入れながら測定を実施する。

3月に発売した睡眠サポート食品「にゅ〜みん」

 ヘルスケア大手のフィリップスが世界13カ国の成人1万3000人を対象に実施した世界睡眠調査(2021年)によれば、日本人の睡眠時間は平日6.2時間、週末6.7時間で、調査した国の中で最も少なく、睡眠に対する満足度も29%と最も低い結果となった。

日本人の睡眠時間は調査した13カ国中で最低(フィリップスの調査より)

 柳沢教授は「日本人の5人に1人が睡眠に問題を感じていることや、睡眠不足による国の経済損失が約15兆円と試算されること、睡眠の不調が生活習慣病やうつといった重大疾患と関係することなどが明らかになっている」と指摘。「『ねむパ』を中心とした今回の取り組みによって、健康で充実した生活の根幹である睡眠の向上に取り組む人が増えることを期待している」とコメントしている。

 「睡眠人材」の募集は12月19日午前9時まで、特設サイトで受け付けている。

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