消費者の傾向、若者の価値観、働き方の変化――このコーナーでは、ビジネスパーソンの働き方や企業の戦略立案に役立つようなさまざまな調査データを紹介していく。
就職情報企業の学情(東京都千代田区)は「就職人気企業ランキング」の結果に関して、コロナ前(2019年調査)とコロナ禍(22年調査)を比較した。コロナ前ではJTBグループやエイチ・アイ・エスなど「旅行」「レジャー」が上位を占めていた一方、コロナ禍では任天堂や集英社など「デジタルコンテンツを提供する企業」が人気を集めている傾向が分かった。
就職人気企業ランキングのトップはコロナ前・コロナ禍ともに伊藤忠商事となっている。同社は、18年調査から5年連続で首位。5年連続トップは01年以降で初の快挙となっており、人気の高さがうかがえる。
コロナ前の19年調査では2位のJTBグループを筆頭に、エイチ・アイ・エス(HIS)、オリエンタルランドがトップ10にランクインしていた。「旅行」「レジャー」が人気を集めていたことが分かる。
コロナ禍の22年調査では、前年33位から大きく順位を上げたオリエンタルランドが9位に入ったものの、「旅行」「レジャー」の人気はコロナ前の水準には戻り切らない結果となった。
19年調査で2位のJTBグループは、中止していた新卒総合職採用を23年卒から再開。政府の全国旅行支援などの後押しもあり、ANA(全日本空輸)やJAL(日本航空)も採用増が期待されており、来年以降の順位が注目される。
22年調査では、2位に任天堂がランクインした。昨年5位から順位を上げ、過去最高の順位とった。3位に講談社、5位に集英社が名を連ね、「巣ごもり需要」が一段落してもゲーム業界や出版業界は高い人気を誇る。電子コミックや動画、ゲームなど、デジタルコンテンツを提供する企業が、デジタルネイティブである学生から支持を集めていることが分かる。
調査はインターネットで実施。対象は全国の大学3年生、大学院1年生で、19年調査は21年3月卒業予定の6574人、22年調査は24年3月卒業予定の8345人を対象とした。
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