帝京大学は12月28日、学生へのアカデミックハラスメントがあったとして、同大学経済学部経済学科の60代男性教授を同26日付で諭旨解雇の懲戒処分にしたと発表した。この教授による学生への不適切な発言がSNSに投稿され、批判が高まっていた。
処分の理由として、同大学は「当該教員による学生への不適切な対応は、教授たる絶対的優位の地位にあるものの学生に対するハラスメント(パワーハラスメント、セクシャルハラスメント、アカデミックハラスメント)言動、かつ本学の教授職にあるものの保つべき品位、品格、高潔さを甚(はなは)だしく損なうことが認められた」としている。
今回の問題は22年11月、男子学生のTwitter投稿で判明した。ゼミの学生募集に関して、応募者を女子と勘違いした教授が「男子には内緒ですが、女子は基本的には応募=採用です」などと記したメールを学生に送信。
この文面とともに投稿された音声データには、投稿した男子学生と教授のやりとりが録音されており、「あなたが女だったら、優先的に採るつもりだよと。それだけだよ」「最後は決める人(採用者)が権限持ってるわけでさ。四の五の言われる筋合いじゃないのよ」などと教授が発言していた。
問題を受けて同大学は内部調査委員会を発足させていた。今後、再発防止策として「ハラスメント防止規程に加え、ハラスメント防止ガイドラインの策定」「教職員を対象とした『ハラスメント防止セミナー』を実施する」などとしている。
同大学は「本件の被害者をはじめ、学生や保護者の皆さま、関係者の方の信頼を大きく損なう結果となりましたことを深くおわび申し上げます」としている。
昨今、企業や大学の不祥事がSNS上で告発されるケースが頻発。今年7月には、中華料理チェーンを展開する大阪王将の店舗で「厨房にナメクジが大量にいる」などといった書き込みを店舗従業員がSNSに投稿し、店舗が閉店に追い込まれた。多くの組織が内部の相談窓口を設置しているが、うまく機能せずSNSに情報が晒(さら)されるケースが相次いでいる。
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