――まず開発の経緯を教えていただけますでしょうか?
開発担当者: バーガーはファストフードの中で年々宅配シェアを広げているカテゴリーです。宅配ピザも近年需要が拡大しています。バーガーもピザも好きという人は多いだろうと予測していましたが、どちらも一度に食べるわけにはいかない。そこで当社の専門性を生かして、バーガーとピザを融合させ、出来立ての状態で届けられないかと考えました。
――バーガーとピザの需要を両方取り込みたいのであれば、一般的なバーガーの見た目を採用したほうが「映え」でバーガーを購入している層など複数のターゲットを取り込めるのでは?
開発担当者: 当社はこれまでも、デリバリーの最低金額撤廃や1枚買うと2枚無料など、常識を打ち破るキャンペーンや商品販売をしてきました。今回の新商品開発においても、常識を打ち破ることを念頭に置き、見た目はピザだけど食べるとバーガーという、不思議なフュージョン体験を届けたいと思いました。
――そもそもバーガーの形にするという案はあったのでしょうか? コスト面やピザ屋のハンバーガーという視覚的な差別化など意識した点があれば教えてください。
開発担当者: 今回のコンセプトは、バーガーとピザの融合です。バーガーの形をして、味はピザという組み合わせも可能性としてはありますが、ピザとバーガーは作る工程が全く異なります。やはりピザの店として、バーガーをそれに融合させるということを追求しました。
ピザの部分をしっかり残す必要もありますから、むしろ視覚的な面ではピザに見えることを大切にしています。その方が、食べていただいたときのインパクトが大きいと考えています。
――一見、ピザ屋が作った「ピザ」に見えてしまうためバーガーファンが食いつくかは未知数だなと思っています。既存商品ファンがバーガーに移行するという、カニバリズムが懸念される気もしますが、その点についてどのように考えられていますでしょうか?
開発担当者: 確かに見た目はピザなので、未知数な部分はあります。しかし、バーガー好きに食べていただけると、新鮮なインパクトを感じてもらえると思いますし、その流れが広まることを期待しています。
カニバリズムは起こらないと考えています。当社は毎日食べても飽きないよう、常時35種類以上のピザを用意しています。ピザ好きはバーガーもピザも食べたい日にはバーガーピザ、しっかりピザを食べたい日には通常メニュー、といいった棲み分けができていると考えています。
以上がインタビュー内容だ。ファストフード、外食チェーン、専門店などさまざまなプレイヤーがバーガー市場で激戦を繰り広げている。そのレッドオーシャンに身一つで飛び込んでいくのはあまりにも無防備だ。後発だからこそ、「見た目はピザなのに食べるとバーガー」というワクワク感や新たな価値の提供に行き着いた。バーガー市場で一旗あげられるか、今後の動向に期待したい。
レジ袋有料化の“二の舞”か プラ削減のために導入した「紙ストロー」が別の環境問題を引き起こすジレンマ
551創業者の孫、東京・恵比寿で「豚まん専門店」をオープン 本家は「ネットニュースで知った」
値下げ品がスーパーから消える? 消費期限を延ばす”魔法のパック”とは
レトルト食品界の王様「ボンカレー」 技術革新を重ねても唯一、”変えなかったこと”は?Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
Special
PR注目記事ランキング