新時代セールスの教科書

データ活用の難易度は、ビジネスモデルによって違う「データドリブンセールス」を考える(3/3 ページ)

» 2023年02月02日 08時00分 公開
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B2B

 B2B (Business-to-Business)は、企業間の取引を指し、主に企業の意思決定者を支援するビジネスモデルの略語です。高額な商品や、数カ月にわたる検討期間が長い商品を扱うことが一般的で、顧客企業はインターネット上で情報を収集し、その後に営業担当者から商品の説明を受けます。ときには試用なども行いながら他社の商品と比較検討するなど、購買・契約に至るまでに多くの営業プロセスが必要となります。営業プロセスにはマーケティングやインサイドセールス、セールスなど多くの人員が関わることが多いです。

 見込み客に対する商談状況(提案、見積もり提出、受注、失注など)や見込み客のプロフィール状況(業種、企業規模、予算など)は、各営業担当者の頭の中にのみ存在することが多く、人が介在するためデータ取得難易度が高くなります。

 担当や部門を超えチームとして結果を出すために、商談状況の可視化や共有を行ったり、それぞれの担当者のゴール設定を数値化しコミュニケーションを円滑にするなど、データによって営業活動を加速させることが重要です。優良顧客にフォーカスするために、顧客の検討段階をスコアリングによって測定し、スコアによって営業担当者を最適に配置するマネジメントなど、高度なデータ活用が期待されます。高度であるからこそ、データを正確かつ抜けもれなく取得し活用することができれば、競合に対する大きなアドバンテージとなります。

まとめ

 ビジネスモデル別にデータの活用方法を見てきました。セールス活動において有効なデータ活用方法には以下のものがあります。

  • 顧客の解像度を高める
  • 顧客の検討ステータスに合わせたアプローチ
  • 優良顧客の掘り起こしの効率化、顧客優先順位の明確化
  • 営業プロセスの可視化、数値化と継続的な改善活動

 連載第2回では、データドリブンセールスの課題、より実践的な取り組み例をご紹介します。

著者プロフィール:平田 大祐

株式会社モンスターラボ 常務執行役員

 2004年IBMグループに入社し、IBMITスペシャリストとしてシステム開発に従事。2009年からベンチャー企業にて受託開発、コンテナ型無人データセンターの管理システム、ドローン開発などソフトウェアからハードウェア開発まで幅広く関わる。チーフテクノロジストとして2015年にモンスターラボへ入社、2018年4月より最高技術責任者であるCTOに就任。


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