「田園都市線」は多くの人が嫌っているのに、なぜ“ブランド力”を手にできたのかスピン経済の歩き方(1/6 ページ)

» 2022年10月25日 10時20分 公開
[窪田順生ITmedia]

 「中流のくせにセレブを気取った田舎者が集まっている」

 「見栄っ張りで性格が悪い人がたくさん住んでいるイメージがある」

 「通勤電車が地獄のように混むし、遅延も当たり前だし、あんなところに住む理由が分からん」

 こんな感じで今、ネットやSNSで「東急田園都市線」がディスられている。きっかけは“日本のご意見番”ともいうべき存在であるマツコ・デラックスさんが、『マツコの知らない世界』(TBSテレビ系)でこのように発言をしたことだった。

 「はっきりもう言いましょう。田園都市線が嫌いなんです。田園都市線の方、ごめんなさいね、本当に。皆さんのことは好きなんです。線路が嫌いなだけなんです。すみません」

田園都市線の駅(出典:東急)
田園都市線で活躍している車両(出典:東急)

 これを受けて、「田園都市線」はTwitterのトレンド入りを果たし、ネット上では先ほどのように、マツコさんに賛同して「田園都市線ヘイト」が飛び交っているというわけだ。もちろん、ほとんどの人は「ネタ」としてイジっているわけだが、中には、何か特別な恨みでもあるのか、田園都市線沿線住民の人間性を貶(おとし)める誹謗中傷をする人も少なくない。

 もしこれを田園都市線沿線で暮らす多感な時期の子どもが見てしまったら、深く傷つき「なんで、こんなみんなに嫌われるような街で僕を産んだんだ!」なんて親を恨んでしまうかもしれない。

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