新時代セールスの教科書

データ活用はなぜ進まないのか 見落としがちな「落とし穴」「データドリブンセールス」を考える(1/3 ページ)

» 2023年02月17日 08時00分 公開

 前回のビジネスモデル別のデータ活用の難易度とデータ活用方法に続き、第2回はデータドリブンセールスにおける課題と、実践的な取り組みについてご紹介します。

 ビジネスモデルによって解決策が異なることから、今回はB2Bのダイレクトセールスをされている企業にフォーカスします。

 データを分析し始めたものの、セールスの現場でうまく活用できていない――。このような課題を抱えているケースをよく耳にします。ただ、経緯をさかのぼって確認すると、データを取得する前の工程に課題があることが多く、まずはこの課題背景からご紹介していきます。

機能しないデータドリブンセールス

 データドリブンセールスに注力しているDX部門の方や、データ管理をされている方にこれまでの取り組みについてうかがうと、大半の方はセールス(インサイドセールスも含む)やマーケティングのチームにきちんとヒアリングを行っていて、その上でBIツールを導入したり、ダッシュボードを用意したりしています。

 にもかかわらず、

  • セールス担当者に使ってもえらない
  • 結果(売り上げ)につながらない
  • 計測または取得できないデータが次々にあがってきて、対応に迫られている

 といった課題に直面しているケースが多いようです。

 実際に提供されているBIツールやダッシュボードを見ると、売り上げや商談数など、見たいデータについてあらかじめヒアリングし、すり合わせを行ったKGI/KPIに基づいた数値がきちんと表示されています。このことからも、BIツールやダッシュボードなどに問題はなさそうです。

 そうすると、課題の原因が見当たらないように感じられますが、顧客視点で見ると、ある「共通項」が浮き彫りになってきます。その共通項とは、部門ごとに分業をきちんとしている企業ほど陥る傾向があります。

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