「妊娠したら辞めてくれ」――マタハラがまん延する職場の特徴と対処法働く女の“いらいら”(1/3 ページ)

» 2023年02月27日 08時00分 公開
[川村佳子ITmedia]
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新連載・働く女の“ツライ”あるある:

職場で働く女性はいろいろなストレス、働きづらさを抱えている。「家庭との両立」「セクハラ」「女性ならではの人間関係」「お局」などなど――挙げればきりがない。本連載では、産業カウンセラーとして活躍する川村佳子氏が働く女の“ツライ”の原因や解消法を解説する。

連載第1回:職場の「いつも偉そうな女性」はなぜ生まれるのか 多くのお局さまに共通している心理を専門家が解説

連載第2回:職場の「幸せアピールが止まらない」同僚に悩んでいます 対処法を専門家が解説

連載第3回:同僚の女性はなぜ、いつも「自分すごいでしょアピール」をしてくるのか? 専門家が解説

連載第4回:「子どもの急病で早退、周囲から白い目で見られてツライ」 ワーキングマザーが生き抜くための術とは?


 本連載は、メンタルヘルスの向上・維持に向けたサポートを行う産業カウンセラーの川村佳子氏が、ビジネスパーソンから寄せられた相談に基づき、職場で働く女性ならではの“お悩み”“イライラ”の要因やその解消法を解説するシリーズです。第5回目は「妊娠報告・産休・育休」をテーマに、女性の悩みや組織に求められることを解説します。

マタハラ 「寿退社が当たり前」「妊娠したら辞めてくれないと」――“マタハラが怖い”という女性を増やさないために、組織に求められること(ゲッティイメージズ)

 産休・育休の環境整備がどんどん進み、女性だけでなく、男性の育休取得が推奨されるなど、産休・育休の理解は深まってきているといわれています。日本では、2022年4月に育児介護休業法を改正。男女ともに仕事と育児を両立できるよう新たに「産後パパ育休制度」が創設され、22年10月から施行されました。

 子育て中や、これから子育てする家族の方にとっては、とてもいいニュースですね。しかし、実際はまだまだ男女ともに「育児休暇を取りづらい雰囲気がある」といった相談が多くあります。妊娠・産休に際して「今休んだら迷惑を掛けるのではないか」と周囲に相談を気軽にすることができないと悩んでいる女性も。

 また、結婚や出産をしながら働いている女性上司がいない、妊活や不妊治療のことを職場に相談しづらいなど、まだまだ昭和メンタリティが根強い組織も多いと感じます。今回は、女性が働きながら安心して結婚、妊娠、産休を取得できる組織づくりや、メンタルヘルスについて解説します。

マタハラ 転職希望者の40.9%が「今の会社は出産や子育てと仕事の両立が図れる環境が整っていない」と回答(ワークポート「出産・子育てに関する制度・環境」に関するアンケート調査より)
マタハラ 出生率の推移(令和3年人口動態統計月報年計の概況)
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