同社の一番の強みとして挙げられるのは、完全なるデジタルネイティブ企業ということです。
通常、医療業界はデジタル化が進んでおらず「サービスが遅い」というイメージをもたれます。そんな中、himsは診断から治療、薬の配送、顧客との窓口まで、完全垂直統合型でエンドツーエンドの迅速なサービスを提供していることが特徴的です。高品質の遠隔医療サービスを提供するために、独自のシステム、プラットフォーム、機能を構築しています。
himsのプラットフォームで遠隔診療を受けてから処方箋薬が家に届くまで、どのようなD2Cのステップを踏むのでしょうか。同社のWebサイトによると、各ステップが以下の通り説明されています。
(1)患者がオンラインの問診票に記入し、症状や病歴について医療従事者のために情報を集約
(2)その後、患者が居住する州で認可された医療従事者が、提供された情報を確認し、治療の選択肢と治療計画を策定
(3)医療従事者からの質問は、オンラインメッセージポータルを使用して回答できる
(4)治療計画に処方箋が含まれている場合は、数日以内に、目立たないように梱包された状態で、指定の送付先に配送
このように、問診票の記入から治療薬の受け取りまで完全オンラインで完結するため、病院への移動や待ち時間もなく、プライバシーも守られることで受診のハードルがかなり低くなることが分かります。
同社の遠隔診療技術が大きく活用されているのがメンタルヘルス領域です。
同社がオンラインメンタルヘルスサービスに進出したのは20年で、当初は無料のサポートグループからスタートしました。
提供するオンラインセラピーでは、ビデオ通話でライセンスを持つセラピストと患者をつなぎ、急なニーズへの対応や、個別化された継続的なメンタルヘルスの治療習慣を構築できます。臨床的に証明された精神科の薬を月85ドルから、オンラインセラピーを1セッション99ドルから提供しています。
このオンラインセラピーは、独自の「メンタルヘルスダッシュボード」に集約しています。例えば、以下のような情報が一元管理して可視化されています。
このような情報を一つのダッシュボードに集めることで、患者が自分のニーズ、目標、スケジュール、予算に最適な治療計画を立てる際にパーソナルな経験を構築することができます。結果的に、このようなユーザー体験が他の医療機関との大きな差別化につながっていると考えられます。
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