シャープの消臭・除菌ができる靴箱 普及の壁は「価格」と「大きさ」?家電トレンド解説(1/3 ページ)

» 2023年04月14日 08時00分 公開
[小口覺ITmedia]
※本記事はアフィリエイトプログラムによる収益を得ています

 シャープが発売した「プラズマクラスターシューズクローゼット<DY-B01>」は、靴を入れるだけで消臭と除菌ができるシューズボックス。これまでも消臭・除菌スプレーや活性炭などのインソール、靴用の消臭機などは存在したが、シューズボックスと一体化した製品はかなり珍しい。開発の経緯や、従来の消臭製品との違い、想定のターゲットを同社PCI商品企画部長の花房浩章氏に聞いた。

家電 「プラズマクラスターシューズクローゼット<DY-B01>」 市場想定価格は税込10万円前後(プレスリリース、以下同)

イオンと紫外線によって消臭・除菌

 今回シャープが着目したのは「靴のニオイ」。靴のニオイは、人の体に存在する常在菌の排せつ物が原因となる。靴の中は体温、外気、汗などにより高温多湿の環境になることに加え、角質やほこりなどの菌の栄養源も多く、菌が増殖しやすい環境になっている。

家電 最大2足を消臭・除菌。本体サイズは幅433×奥行き186×高さ825ミリ

 プラズマクラスターシューズクローゼットでは、プラズマクラスターとUVCの2つの技術で靴の中に付着した汗臭を消臭する。プラズマクラスターは同社独自のイオン発生技術で、空気中のカビ菌などの作用を抑える。同機では最上位の空気清浄機と同じ、1立方センチメートルあたりのイオン濃度が5万個以上の「プラスマクラスターNEXT」を搭載している。

 UVCは太陽から降り注ぐ3種類の紫外線(UVA、UVB、UVC)で最も波長が短いもの。通常はオゾン層に吸収されるため地表に届かないが、菌や微生物への除菌効果が非常に高いといわれている。

家電 UV照射

 靴の内部まで届く独自のノズル構造によってUV-Cを効果的に照射し、除菌のスピードを上げた。本機ではUVCにより約15分で除菌が可能だという。

 最大2足を消臭・除菌することができ、本体サイズは幅433×奥行き186×高さ825ミリ。

家電 消臭・除菌ノズル構造。足先からかかとまで、効率よく高濃度イオンを送るとともに、特に菌の増殖の多い足先付近にUVCの照射口を配置
       1|2|3 次のページへ

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.