運転モードは2種類搭載した。「10時間モード」はしっかり消臭・除菌するコース。蒸れを軽減できるのでスポーツなどで汗をたくさんかいた時に向いている。「1時間モード」は短時間で除菌したい場合に使用する。
送風はヒーターレスで、靴の素材を傷めずに蒸れを軽減でき、周囲の温度が上昇することがない。ヒーターレスなので電気代も1時間あたり約0.23円と経済的だ。
また、空気清浄機に採用されている活性炭方式の脱臭フィルターを搭載し、本体からのニオイ漏れを抑え、周囲の空間を快適に保つことができる。
これまで靴のニオイ対策としては、消臭・除菌スプレーや活性炭のインソールなどが一般的だった。ただ、スプレーは効果が限定的で素材への影響が懸念され、インソールは出し入れの手間があった。
その他、脱臭機もある。パナソニックでは靴脱臭機を扱っているが、こちらは靴に差し込んで使用するタイプ。出し入れやセッティングの手間が必要だ。
また、布団乾燥機の靴用ノズルを使用し、「靴を乾かす」という方法も存在しているが、これらもその都度本体を出してセッティングが必要だった。さらに、乾燥させるために温風を使用するため、肝心の靴のニオイが周囲に広がってしまうというデメリットも。
シューズボックスと一体化した本製品は、こうした機器の出し入れの手間が省けるのが最大のメリットだ。また、扉を閉めるため、靴のニオイが部屋に漂ってしまうことも防げる。ありそうでなかった製品だが、どのような開発背景があったのか。
プラズマクラスターはこれまで、空気清浄機だけでなく、エアコンや洗濯機、自動車や電車でのニオイを解決する製品を投入するなど、商品のバラエティを拡大してきた。2021年度には、世界累計出荷台数1億台を達成している。
「30年度には世界累計出荷台数2億台を目標としています。家のあらゆる場所でのニオイを解決する『おうちまるごとプラズマクラスター』の取り組みとして、お部屋や用途に合わせた商品群を考える中で、今回は玄関に着目しました」(花房さん)
同社が実施したアンケート結果では、家庭でニオイが気になる場所として約4割が「玄関・靴箱」と回答。来客に、靴のニオイが臭いと思われるのではないかといった不安は、多くの人が感じているだろう。具体的に開発の発端となったのは、同社がグローバル展開を進めている台湾での事情だった。
「台湾は気温が高く、降水量も多いため、靴の蒸れとニオイを日本以上に気にする方が多かったのです。また台湾では、扉を開けるとすぐリビングにつながり、玄関がない住宅が多く、ニオイがリビングに充満しやすい環境となっています」(花房さん)
このような背景から、プラズマクラスターシューズクローゼットは日本と台湾の同時発売となった。
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