稗田氏はEVERINOの商品企画を立てるにあたり、社内でアンケート調査を実施し、レンジの不満を洗い出すことにした。40人近くの社員からレンジに関する不満を集めたところ、一番多かった不満が温めムラに関すること。そこで、まずは温めムラを解消する機能を盛り込むことにした。
ムラのない温めができる新機能が「うきレジ」である。付属のガラスボウルに食材を入れ、同じく付属する角皿の下部にあるレールに差し込んでから温めるもので、庫内への直置きに比べて全方位でマイクロ波が行き渡るのが特徴。角皿のレールにガラスボウルをセットすると、ボウルは約1センチメートル浮く。
「食材を浮かせて温めるアイデアは、社内でブレーンストーミングを実施した際に出てきたものです」と稗田氏。食材を浮かせて卵白の温めや、肉じゃがやかぼちゃの煮物の調理で検証したところ、直置きより温度ムラが抑えられることが分かった。
稗田氏は当初、うきレジに関することはすでに他社が特許を出願していると思っていたそうだ。しかし調べたところ、特許は出願されていなかった。他社に先を越されないよう、うきレジに関する技術について急いで特許を出願したという。
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