加熱することから安全性にも十分配慮。どのモードで使い終わっても自動モードにリセットするようにした。これにより、レンジモードとオーブンモードを間違えて使ってしまい、器が溶けたり発火したりするのを避けられるようになっている。
「オーブンレンジを使っていただく際、レンジで温めるつもりがオーブンになっていることに気づかず使ってしまうことがあります。そういったことが起こらないよう、使い終わったら設定をリセットし、誰が使っても安全なものにしました」(稗田氏)
次に使う人が万が一モードを確認することなくスタートボタンを押してしまっても、自動モードによりレンジで温めるだけにした。
こうした特徴を持つEVERINOの開発は、過去の資料が社内にまったく残されていなかったため、全部手探りで進めざるを得なかった。「設計基準も一からつくらなければならなかったほどです」と稗田氏は振り返る。
また、レシピづくりも手数がかかった。STAN.ブランドから発売するオーブンレンジのものも含め、まず92のレシピを用意したが、決まるまでに考えたレシピは約2000通りに及んだほど。レンジ、オーブン、グリルといった基本機能を使ってつくるもののほか、うきレジやレジグリといった機能でつくるものも考えなければならない。慣れないところにきて特徴的な機能を生かすレシピづくりは頭を悩ませた。
例えば、「塩さば」はレジグリにより4切れが12分でできる。レンジ(600ワット)で5分加熱し、グリルで7分焼くが、社内に何一つ過去の資料が残っていなかったので、レンジでの加熱時間、グリルで焼く時間を決めるのも容易ではなかった。
EVERINOのレシピ開発は常にこのような感じで、同じ庫内容量26リットルの競合品を参考にしながら、最適な加熱時間や焼き時間を決定。発売直前までレシピ開発に追われた。
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