顧客満足度に関する調査・コンサルティング専門機関であるJ.D. パワー ジャパン(東京都港区)は、「J.D. パワー 2023年QRコード・バーコード決済サービス顧客満足度調査」の結果を発表した。その結果、2023年度のQRコード・バーコード決済サービス顧客満足度トップは「PayPay」だった。
総合満足度1位の「PayPay」(660ポイント)は2年連続の受賞となった。次いで2位に「d払い」(636ポイント)、3位に「au PAY」「楽天ペイ」(633ポイント)が同率で続いた。
「PayPay」は「決済手続き/管理」「キャンペーン/ポイントサービス」「利用できる店舗・ウェブサイト」の3ファクターで、「d払い」は「セキュリティ/不正利用防止対策」ファクターで最高評価を得た。
調査は1月中旬、直近3カ月以内にQRコード・バーコード決済サービスを利用した20〜69歳の回答者3000人を対象に、インターネットで実施した。顧客満足度は詳細評価項目に関するユーザーの評価を基に、1000ポイント満点で総合満足度スコアを算出した。構成するファクターは、「決済手続き/管理」(31%)、「キャンペーン/ポイントサービス」(29%)、「利用できる店舗・Webサイト」(19%)、「セキュリティ/不正利用防止対策」(18%)、「アプリのアカウント設定」(2%)の5種類。
同調査は19年より実施しており今回が5回目となるが、総合満足度とロイヤルティが過去最高ポイントを更新する結果となった。また、5つの全ファクターで、現行の評価モデルへと変更した21年以降最も高いスコアを記録した。
ロイヤルティを測定する3項目のうち、「継続意向」については「非常にそう思う」(54%)が前回より4ポイント増加し、「ややそう思う」(43%)と合計すると97%と大多数を占めていた。QRコード・バーコード決済サービスが、決済手段の一つとして根付いていることが読み取れる。
しかし、利用金額を増やしていきたいとする「増額意向」と、家族・友人などに勧めたいという「推奨意向」は前年とほぼ同レベルにとどまっていた。持続的な決済サービス提供には、利用機会の促進につながる増額意向や他者への推奨意向の向上が課題だと、同社は分析している。
22年の前回調査時とくらべて「キャッシュレス決済はセキュリティ面で安心だ」は7ポイント、QRコード・バーコード決済利用時の「本人認証による安心感が高い」は8ポイント増加した。セキュリティに対する安心感が高まっており、また「セキュリティ/不正利用防止対策」ファクターの評価が前年比で最も高まっていることから、総合満足度の向上にも寄与していることが読み取れる。
J.D. パワー グローバル・ビジネス・インテリジェンス部門 常務執行役員 梅澤希一氏は、「評価の高いブランドが顧客満足度を一層向上させた一方、評価の低いブランドは停滞感が強く、ブランド間の格差が拡大している」とした上で、「評価の高いブランドがその強みをさらに磨き、優位性の強化を図る中、評価の低いブランドにとって現在は挽回のための正念場と言える」とコメントしている。
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