2022年に買収したツイッターに次々と変革をもたらし、何かとニュースが尽きない世界的な起業家であるイーロン・マスク氏。電気自動車大手テスラや、宇宙開発企業SpaceX、そしてツイッターなどの注目企業を経営し、22年に初めて米経済誌フォーブスの長者番付で世界1位の富豪に輝いた。
だが、マスク氏はその地位を1年で明け渡すことになった。23年版の長者番付が4月5日までに発表され、マスク氏は2位。440億ドル規模のツイッター買収がテスラ株の価格低迷につながったことが理由となる。
そしてマスク氏に代わって世界一の大富豪になったのは、ベルナール・アルノー氏だ。彼になじみがない日本人も多いかもしれないが、彼が所有するブランドを知らぬ人はいないだろう。74歳のアルノー氏は、高級ブランド「ルイ・ヴィトン」「モエ・ヘネシー」などを傘下に持つ仏モエ・ヘネシー・ルイ・ヴィトン(LVMH)のCEOである。
業績が好調だったこともあり、22年の3位からいきなりトップの富豪になった。アルノー氏といえば、さまざまな高級ブランドを世界的なアイコンに育て上げたことで知られ、23年4月17日時点の総資産は2360億ドル(約31兆6000万円 ※1ドル134円で計算)に達する(Forbes調べ)。
アルノー氏はフランスで生まれ育ち、父親から受け継いだ企業をベースに高級ブランド買収などによってクリスチャン・ディオールなどを手がけるようになった。その後、「ルイ・ヴィトン」「モエ・ヘネシー」を吸収しながら高級ブランドのコングロマリット「LVMH」を築き上げた。
そこからは高級ファッションブランドなどを次々に成功させ、企業は拡大と成長を続けてきた。1980年代にルイ・ヴィトンを支配した際には株式を買い増すなどして同社の社長を追い出すなど、かなり荒っぽいやり方も見せている。また90年代には高級ブランドのグッチに敵対的買収を仕掛けて失敗したこともある。
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