4月21日に東京証券取引所のプライム市場に上場した楽天銀行の株価が好調だ。同社株の24日の終値は1988円だった。同日午前の取り引きでは一時2016円となり、上場後の最高値を更新した。
24日の取り引きは、前日比70円高の1株2000円で始まった。開始後数分で1株2016円を記録。最終的に1988円となった。
同社の上場に伴い、親会社の楽天グループは保有株の約3割を売却。公開価格は1株1400円で、同社は約717億円の資金を調達した。モバイル事業の巨額赤字によって、過去最大の約3700億円という赤字額を計上する中、財務状況の改善を図る狙いがあるとみられる。
ただ、公開価格は3月に上場承認を受けた際の想定条件を約3割近くも下回っており、売却総額では約300億円減少しているとの指摘もある。
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楽天銀行はもともと、日本初のネット専業銀行であるジャパンネット銀行(現PayPay銀行)に次ぐ、国内2番目のネット銀行「イーバンク銀行」として設立された。2003年、旧ライブドア創業者の堀江貴文氏が筆頭株主となったものの、従来の経営陣と経営方針などを巡り対立。提携解消などの混乱を経て、09年2月に楽天グループ傘下となった。10年6月には社名を「楽天銀行」に変更。口座数は国内のネット銀行最多の1300万(22年12月末時点)で、預金残高は9兆円を突破しているという。
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