ブームが過ぎて過当競争が進んでいる、と専門家らが指摘していた「高級食パン」の過当競争がなかなか終わらない。
先日、ブームの火付け役「乃が美」で多くの店が経営難に陥ってフランチャイズ本部とオーナーが泥沼訴訟をしている、ということが報じられたが、大手の「SAKImoto bakery」でも大量閉店が起きているというのだ。
J-CASTニュースの『「高級食パン」大手も縮小 「SAKImoto bakery」は5か月で16店を閉店』によれば、SAKImoto bakeryでは2022年12月〜23年4月末までに16店舗を閉店。理由を質問しても、回答を差し控えたいということなので、「言えないような苦しい台所事情があるのでは」などと憶測を呼んでいる。
ただ、ちょっと冷静になって周囲を眺めると、このような「ブーム→大量閉店」という道をたどっているのは、なにも高級食パンだけに限った話ではない。
『唐揚げブームの終焉 ワタミの失敗を専門家は「興味深い。専門店はタピオカと同じ運命を辿る」』(デイリー新潮 3月3日)
大衆が流行りものにワッと飛びついて、商売人は「稼ぎどきだ」と似たような店を次々と出して大行列、時代の寵児のようにもてはやされるが、大衆が飽きると閑古鳥が鳴いて閉店ラッシュ……。そんな「平家物語」の「驕れる者久しからず、ただ春の夜の夢の如し」を体現するビジネスは、資本主義社会では後を断たないのだ。
ただ、日本の場合、その栄枯盛衰スパンが最近やたらと早いような気がする。ちょっと前までブームだと大騒ぎして行列ができていると思ったら、次に見たときはもう店が潰れて居抜き物件になっている。「寿命」が短いのだ。
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