パーソル総合研究所(東京都港区)は、18カ国・地域を対象に実施した「グローバル就業実態・成長意識調査−はたらくWell-beingの国際比較」の結果を発表した。日本は、調査対象国の中で、“働く幸福度”が最下位だった。
調査結果のデータを用いて、日本人が働く幸せを実感できない理由をパーソル総合研究所が分析したところ、3つの理由が分かった。
1つ目は、日本企業の特徴的な組織文化だ。上層部の決定にはとりあえず従う、物事は事前の根回しによって決定されるといった、「権威主義・責任回避」である。
特に、組織文化が強い場合、一般社員は働く幸せを感じにくい傾向にあった。一方で、管理職にはそのような傾向は見られなかった。
2つ目は、「寛容性」が低いことであった。18カ国・地域の中で2番目に低く、異質な他者と積極的に関わろうとしない傾向が顕著であり、職場における相互尊重の組織文化が低かった。
3つ目は、学習投資が仕事や働き方の選択肢の増加につながらないことであった。日本では、企業横断的な職業意識が薄く、ジョブ型ではなくOJTを中心に組織内部で能力向上に取り組むため、業務外の学習・自己啓発が仕事の選択肢の増加につながりづらいと考えられる。
結果について同社は「日本の就業者が『所属組織に自分を捧げる』ことを最も重視しない傾向とも整合する」と指摘。「異なる意見や背景、特性を持つ個人やグループを受け入れ尊重することが、就業者の働く幸せを実感させ、組織のパフォーマンスやイノベーションにも寄与するだろう」とコメントした。
調査は2022年2月10日〜3月14日、世界18カ国・地域の各1000人を対象に実施した。回答者は、その国に3年以上在住し、就業している20〜69歳男女。
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