さて、そこで皆さんが次に気になるのは、もし筆者が考えるような「外食の王者マックVS. ロードサイド型喫茶店の覇王コメダ」による異種格闘技戦が繰り広げられたら、一体どちらに軍配が上がるのかというところだ。
「そんなもんコメダに決まっているだろ! コメダのハンバーガーはマックと比べ物にならないほど大きい。コスパも最高だし、ゆったりできる」
「いや、やっぱり安さではマックだろ。コメダはボリューム満点とかいうが、冷静に考えたらかなり高くて珈琲とセットにしたら余裕で1000円超える。そんな高級店がマックに勝てるわけがない」
それぞれのファンの方たちの熱い激論が聞こえてきそうだが、筆者としてはやはりマックに軍配が上がると思っている。どちらがおいしくて優れているという話ではなく、シンプルに「安売り競争」という体力勝負で勝てるからだ。
ご存じのように、日本は30年以上も平均賃金が上がっていない。中小零細企業経営者が自民党の票田ということもあって、諸外国が当たり前のようにやっている物価上昇に伴う最低賃金の引き上げをずっと先送りにしていることが大きい。
自主的に賃上げできるのは、日本企業の0.3%である大企業だけで、残りの99.7%の中小企業は低賃金を前提としたビジネスモデルなので、この先も「安いニッポン」は続いていく。つまり、どんどん貧しくなっていく庶民にとって、「安さこそが正義」という状況はまだしばらく続くのだ。
こういう状況だと、やはり圧倒的に強いのはファストフードだ。消費者もそこまでの高いレベルを求めないので、「安さ」に依存する客が離れていかない。そんなファストフードに対して普通の外食チェーンがガチンコの価格勝負を挑むと、サービスや商品の「質」を下げざるを得ず、それまでの顧客が「最近なんかファストフードみたいだな」と離れていく。
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