「マックのコメダ化、コメダのマック化」近づく両雄、ガチンコ対決を制するのは?スピン経済の歩き方(3/7 ページ)

» 2023年05月02日 09時48分 公開
[窪田順生ITmedia]

「マック迎撃体勢」に入った

 そんなコメダが主戦場としているロードサイドに、マックが続々と「居心地の良いカフェ体験」を打ち出した店舗を増やしている。そして、そんなところにダメ押しのように、人手が期待できるゴールデンウイークに「喫茶マック」を投入してきた。完全にケンカを売っているようにしか見えないではないか。

 しかも、そのように感じるのは、もう一つ大きな理由がある。コメダ側もマックのそのような動きに対抗して、完全に「マック迎撃体勢」に入っているということだ。

 分かりやすい例が、3月8日に期間限定で発売された「弥生バーガー」だ。これはコメダ名物の大きなハンバーガーに、とろり食感が味わえるエッグオムレツが入っていることで、ネットやSNSでは「コメダのてりたま」なんて言われている。

コメダの弥生バーガー

 「てりたま」とはご存じのように、1996年からマックで毎年発売されている春の風物詩的な商品で、今年も3月8日に、定番の「てりたま」「チーズてりたま」に加えて、新たに「瀬戸内レモンタルタルベーコンてりたま」が発売された。

 「えっ、同じ日に?」と驚く方も多いだろう。そう、完全にパク……ではなく、マックの「てりたま」にインスパイアされた類似商品をぶつけてきているのだ。これが単なる「偶然」ではないのは、それぞれの商品のキャッチコピーを見れば明白だ。本家マックの「てりたま」は桜が満開のイメージに「めっちゃ、春じゃん」というコピーが掲げられている。

マックVS. コメダの熱い戦いが続く(提供:ゲッティイメージズ)

 では、コメダはどうかというと、満開の桜の下で女子高生たちがハンバーガーを食べているイラストの上にこんな「メッセージ」がある。

 「春だね 照れるね はじめまして。私、弥生です」

 まるで「てりたま」のコピーに対する「アンサー」のような形で、外食の絶対王者に対して、チャレンジャーとして「宣戦布告」しているようにも見えるのだ。

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