そんな悪いタイミングで、マックは「郊外型ドライブスルーを中心としたロードサイドカフェ」の拡大を目指していたというわけだ。停滞してしまうのも無理はない。
しかし、それが思わぬ形で復調する。コロナ禍によって在宅勤務になった人々が、スタバなどでパソコンをパチパチ打つ姿が多く見られたが、そのような人々がマックに駆け込んだのである。筆者も当時はかなりマックの世話になった一人だ。
このような「需要」を受けて19年には100店舗だったが、着々と店舗数を増やして、23年現在は217店舗まで拡大してきたというわけだ。
このような動きを見れば、好調をキープする「ロードサイド型喫茶店の覇王」としてもさすがに余裕をかましているわけにはいかない。しかも最近、マックの「脅威」を裏付けるような調査も公表された。総合マーケティングリサーチ事業を展開するRJCリサーチの「カフェのブランド浸透度調査」によれば、マクドナルドは94.1%となんと首位を獲得したのだ。
これは、「マックはファストフード、コメダやスタバはカフェ・喫茶店」というような「境界線」などなくなってきていることをあらわしている。
ならば、コメダがとるべき戦略は一つしかない。外食の巨人マックがこっちのテリトリーに侵犯してくるというのなら、やられる前にやるしかない――。それが昨年からの積極的なマックの「定番潰し」ではないのか、と個人的には感じている。
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