「いやいや、そんなのこじつけだ! コメダとマックは客層もぜんぜん違うだろ」という声も聞こえてきそうだが、コメダがマックの人気商品をパ……ではなくインスパイアされるのはこれがはじめてではない。
例えば22年9月7日、コメダは「フルムーンバーガー」を期間限定で発売している。もうお分かりだろう、これはマクドナルドが1991年から発売している秋の定番「月見バーガー」から着想を得たのは明らかだろう。
さらに、22年11月22日には、コメダは人気のチョコレート菓子「ブラックサンダー」とコラボした「シロノワール ブラックサンダー」を発売しているのだが、これはマックが19年から定期的にやっている「マックフルーリー(R)ブラックサンダー」と考え方は同じだ。
「偶然」がここまで重なるとは思えない。つまり、コメダは明確な意志をもって昨年から、マックの定番商品とよく似ている新商品を世に送り出しているのだ。
「なんのために?」と思うだろう。コメダの詳細な事業戦略は分かりかねるが、筆者が想像するに、これまで大きな脅威ではなかった「マックカフェ バイ バリスタ」が、コロナ禍のリモートワークなどで一気に拡大して、脅威となってきたからではないか。
実は「マックカフェ バイ バリスタ」がスタートしたのは意外と古く、12年までさかのぼる。「郊外型ドライブスルー店舗を中心に約30店舗を予定」(日本マクドナルド ニュースリリース)という感じで始まり、14年6月末時点には94店舗と着々と増やしていくのだが、どういうわけかここで急に「足踏み」となる。
記念すべき100店舗目ができるのは、なんと5年後の19年。なぜこのような「空白」ができるのか理由は分からない。だが、ちょうどこの時期は「珈琲競争激化」というニュースとともに、「コメダが好調」なんて話題がちまたにあふれていた時期だ。
実際、全国ではコメダの出店攻勢が続いていた。13年には67店舗、14年には59店舗、15年度は66店舗と着々と店舗を増やして、16年には上場まで果たしている。つまり、この時期の「ロードサイド型喫茶店の覇王」はコメダ珈琲だったのだ。
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