不動産契約、約8割が「電子を希望」なのに 導入済みの管理会社は13%、この差はなぜ?

» 2023年05月18日 17時03分 公開

 不動産業界に特化した電子契約サービスを提供するいえらぶGROUP(東京都新宿区)は、不動産の電子契約に関する調査を実施した。その結果、部屋を借りる際に電子契約を希望するユーザーが全世代で76.3%にのぼった一方で、電子契約を導入している賃貸管理会社は13.7%だった。

photo 不動産の電子契約に関する調査(画像はイメージ、提供:写真AC)

 今後部屋を借りるとしたら電子契約を使いたいか聞いてみると、「使いたい」「どちらかといえば使いたい」がZ世代で84.4%、全世代で76.3%となった。60歳以上でも51.9%が電子契約を希望しており、ニーズは非常に高いことが分かった。

 一方で、電子契約を導入している賃貸管理会社は13.7%にとどまった。「導入を検討していない」は45.0%と半数近くを占め、理由として「導入の必要性を感じない」(54.2%)が最も多く、賃貸管理会社がエンドユーザーのニーズに対応しきれていないことがうかがえた。

photo 今後部屋を借りるとしたら電子契約を使いたいか(Z世代)、管理会社の導入状況(出所:プレスリリース、以下同)
photo 今後部屋を借りるとしたら電子契約を使いたいか(全世代、60歳以上)

契約に要する期間を比較

 契約に要する期間を比較した。紙の場合は「4日以上」が84.0%を占めた一方で、電子契約は77.8%が「3日以内」と、契約にかかる時間を大きく短縮できていることが見てとれる。

photo 契約に要する期間を比較

電子契約を検討する理由と実際のメリット

 電子契約を検討する管理会社に導入したい理由について聞いてみると、「作業量の削減」が70.4%と上位に入った。しかし、実際に導入した賃貸管理会社が導入メリットとして「作業量の削減」をあげている割合は38.9%となり、導入前の想定と実態に差があった。

 同社は「この差は、業務フローや賃貸仲介会社・保証会社との連携において電子契約に完全移行できない理由があり、紙と電子の二重運用をする会社が多いことに起因する」と分析する。

photo 電子契約を導入したい理由
photo 電子契約を導入して感じたメリット

 調査は4月17日〜5月9日、いえらぶポータル利用ユーザーやSNSフォロワー1542人と不動産会社475社を対象にインターネットで実施した。

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.