消費者の傾向、若者の価値観、働き方の変化――このコーナーでは、ビジネスパーソンの働き方や企業の戦略立案に役立つようなさまざまな調査データを紹介していく。
日本能率協会マネジメントセンター(東京都中央区)が、管理職に関する調査結果を発表した。管理職の56.4%が仕事をポジティブに捉えている一方、一般社員の8割近くが「管理職になりたくない」と考えていることが分かった。
管理職の人に対して、「今の仕事が面白いか」「管理職を続けたいか」と質問し、回答を4象限で分類した。「面白い」かつ「続けたい」と回答した「ポジティブ管理職」の割合が56.4%で過半数を占めた。「面白くない」かつ「続けたくない」と回答した「ネガティブ管理職」は18.9%だった。もともと管理職になりたくないと考えていた人で、現在も続けたくない人は22.3%、続けたいという人は16.7%だった。
意識しているマネジメント行動を聞いた。ポジティブ管理職、ネガティブ管理職ともに「顧客・メンバー・関係部門・協力者などから信頼を得られるように、相手を尊重し誠実に行動している」が最多だった。
ポジティブ管理職とネガティブ管理職の差が開いた項目は「抵抗や障害を乗り越えて、機会を逸することなく、変革や革新を実行している」で、前者の回答率が87.9%に対し後者は46.0%と、41.9ポイントのギャップが生じた。
また、「コロナ禍で変えたマネジメント行動」を聞いたところ、ポジティブ管理職は「問題意識を持って、情報収集を行い、変化の兆しや組織の進むべき方向を的確に捉えている」の回答率が36.7%で最も高かった。ネガティブ管理職の回答率(18.3%)との差も最も開いた。同社は「ポジティブ管理職は『人の信頼を獲得し、協力してもらえる関係づくり』『組織の進むべき方向を捉え、そのための革新を考える』ことを意識していることが推測される」と分析している。
一般社員に対しても、「仕事が面白い」「管理職になりたいか」という質問をした。4象限で分類すると、最も多かったのが「面白くない」かつ「なりたくない」の「ネガティブ部下」で、45.1%と約半数を占めた。
次に多かったのが「面白い」「なりたくない」と答えた人で32.2%と、管理職になりたくないと考える人が8割近くを占めた。「面白い」かつ「なりたい」の「ポジティブ部下」は17.3%にとどまった。
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