ハンバーガーチェーン大手のモスバーガーが7月12日に発売する「白いモスバーガー」(白モス)。昨夏、350万食の大ヒットを記録した商品の再販だ。「前年と同じ商品は出さない」。そんな方針の下、チーズの配合やソースの水分量を一から見直した。狙うのは子ども連れの30〜40代女性だ。
昨年初登場した白モスは、モス全メニューの中でも“映え”を意識した異色の商品だった。商品開発を担当した堀谷直人チーフリーダーは「『加熱しなくてもシズル感があるソースを作ろう』という遊び心とチャレンジ精神から誕生した」と当時を振り返る。
社内の企画提案の場で試作品を出したところ、「映え、おいしさ、モスらしさを両立している。すぐに商品化しよう」として幹部の反応は上々。通常、新商品開発の現場では、幹部から試作品に多くの注文事項が出るものだが、白モスの試作品には「あまり文句がでなかった」と堀谷リーダー。初めから「白いモスバーガー」という商品名も決まっていたという。
そんな白モスを再販するに当たって、要のチーズソースを一新した。旧商品では「パルミジャーノ・レッジャーノ」「エメンタール」「ゴーダ」「クリームチーズ」の4種のチーズに、ブルーチーズパウダーとヨーグルト、白ワインを隠し味として加え、主に中年男性向けのさっぱりとした味にしていた。
これに対し、新商品はターゲット層を子ども連れの30〜40代女性をコアターゲットに設定した。これまでモスバーガーが獲得しきれていなかった層だという。それに伴い、チーズの組み合わせを変更。パルミジャーノ・レッジャーノをパルメザンに変え、チェダーを加えた5種のチーズを採用した。ヨーグルトや白ワインを抜き、ブルーチーズも前年比4分の1に減らし、チーズ臭さと酸味を抑え、子どもでも食べやすい味にマイナーチェンジした。
ソースに加える水分量でも試行錯誤した。旧商品を販売した際は、デリバリー需要が残っていたこともあり、完成後、20分程度経過してから利用者が食べることを想定し、水分を多く含んだ仕様にしていた。コロナ前の生活が戻りつつある今夏の新作では、水分量を抑え、食べやすいソースの粘度を目指した。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
Special
PR注目記事ランキング