なぜ「サイゼ」が最も支持されるのか 「ミラノ風ドリア」300円を維持できるワケビジネスモデルを分析(4/4 ページ)

» 2023年07月13日 05時00分 公開
[山口伸ITmedia]
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パスタからは逃れられない

 SPAで伸びたサイゼリヤだが、国内店舗数はここ8年間1000店舗台で伸び悩んでいる。海外展開については年間50店舗以上のペースで出店していたものの、近年では10〜30店舗のペースに落ち込んでいるようだ。中華圏では日本ほどイタリアンが定着していないことも要因として考えられる。

 こうした背景もあってかサイゼリヤは10年代以降、持ち帰りパスタ専門店「Pastas」やファストフード型パスタ専門店「スパゲッティ マリアーノ」などの新業態店を国内でオープンさせている。しかし、いずれも失敗に終わってしまったようだ。ヒット作を生み出したくても新業態店は既存のSPAを活用できるイタリアンに限られてしまい、サイゼリヤ自体が競合となってしまうのだろう。

 さらなる成長を目指すのであれば、いっそのことM&Aでイタリアン以外のチェーンを買収するのも一手といえる。

サイゼリヤを象徴する300円「ミラノ風ドリア」(出所:サイゼリヤ公式Webサイト)
サイゼリヤのピザも400〜500円台が多い(出所:サイゼリヤ公式Webサイト)

著者プロフィール

山口伸

化学メーカーの研究開発職/ライター。本業は理系だが趣味で経済関係の本や決算書を読み漁り、副業でお金関連のライターをしている。取得した資格は簿記、ファイナンシャルプランナー Twitter:@shin_yamaguchi_


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