サイゼリヤがここまで伸びたのはもちろん安さが理由だ。人気のミラノ風ドリアはたったの300円であり、ピザやパスタも400〜500円である。
日本ではバブル期の「イタ飯ブーム」をきっかけに本格的なイタリアンが普及した。パスタといえば、それまでナポリタンやミートソースしか知らなかった日本人がブームを期に多彩なイタリア料理を楽しむようになった。しかしその後は失われた20年、30年ともいわれる不景気時代が続く。
懐が寂しいと感じる人が増える中、安くて安定したイタリア料理を楽しめるサイゼリヤは消費者のニーズにマッチしたと考えられる。端的にいえばバブル期にイタリアンが定着した日本の消費者に、安価なイタリア料理を提供し続けることでサイゼリヤは成長できたのである。
サイゼリヤは中国でも同じく圧倒的な安さで消費者の心をつかんだ。中国でもイタリアンチェーンとして「ピザハット」が進出していたが、サイゼリヤはそれよりも圧倒的な安さを武器に中国市場へ進出したのである。
12年当時の基準で比較すると、中国国内の一般的な外資系イタリアンの客単価が150元以上であるのに対し、ピザハットも80元とかなり安い水準だった。サイゼリヤはそれをさらに下回る30元弱(約480円)の価格設定で攻めた。洋食は中華料理よりも高いという現地の常識を打ち破ることに成功し、23年8月期第2四半期時点で上海に156店舗、広州に148店舗、北京に70店舗展開している。ちなみに飲食チェーンが海外進出する場合、FC業態をとることが多いが、サイゼリヤでは品質を安定化させるため国内外で直営主義を貫いている。
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