天地神明に誓って「不正は知らなかった」 ビッグモーター兼重社長、質疑応答まとめ経営陣の関与を否定(1/2 ページ)

» 2023年07月25日 16時00分 公開
[片渕陽平ITmedia]

 「天地神明に誓って、不正は知らなかった」──不正が発覚した中古車販売のビッグモーターの兼重宏行社長は、7月25日に開いた記者会見でそう強調した。兼重社長は「全てのステークホルダーの皆さまに、深くおわび申し上げる」と謝罪。26日付で辞任し、今後の経営に関与しないと述べた一方、組織的な不正や経営陣の関与は否定した。会見の質疑応答から、主な回答をまとめた。

photo 「BIGMOTOR」公式サイトより

社長は不正をいつ認識したのか

──経営幹部はどの程度、不正を認識していたのか。

兼重社長 不正は板金塗装部門が単独で行い、他の経営陣は知らなかった。

──社長は不正をいつから認識していたのか。

兼重社長 6月26日に特別調査委員会から報告書を受け、本当に耳を疑った。こんなことまでするのかとがくぜんとした。そのとき初めて認識した。

 大事なお客さまのクルマを傷つけ、水増し請求するのはあり得ない。特に一線を超えているのは、ゴルフボールを靴下に入れて振り回し、損傷を広げたこと。ゴルフを愛する人への冒涜だ。事実関係を確認中だが、従業員には厳正な対処をする。

photo ゴルフボールを靴下に入れて車体をたたくなどの行為があったという=特別調査委員会の報告書より

──不正は組織的なものか。

兼重社長 組織的なものではない。事実確認は取れていないが、個々の工場長が指示したのではないか。調査報告書にもあるように、不合理な目標設定がノルマになり、ノルマを達成するため、現場に強くプレッシャーをかけていた。それが不正につながったと考えている。

──損害保険会社から多くの出向者を受け入れている。不正の情報は共有されていたのか。

兼重社長 分かりかねるが、損害保険会社からの出向者には、コンプライアンスの教育に加え、板金塗装部門では見積もりの教育や技術指導を行っている。サービス部門では監査ができる人材として受け入れているので、不正に関与していることは一切ないと思う。

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