──報告書によると、兼重宏一副社長らの判断で従業員の降格人事が繰り返されている。見せしめのように感じられるが、背景は。
兼重社長 創業当初から、人事に関しては「この人ならできるだろう」という前提で抜てきしている。仕事をさせて十分な力がなければすぐに降格させるが、ただし一歩下がって全体を見てもらい、成長したら敗者復活させる。社員教育の一環と考えていた。悪意は一切ない。
──経営手腕に問題はなかったのか。
兼重社長 内部統制が今の規模に合っていなかったと反省している。私の経営手法として意思決定を早め、担当責任者に任せるようにしていた。その結果、責任者の独断が専行し、報告書も上がってこない状況だった。現場に申し訳ない。
石橋光国取締役(新副社長) 全役員が報告書を受け、初めて知ったので関与はない。しかし真因は何かというと、調査報告書の提言にも「コーポレートガバナンスの機能不全」「経営陣に忖度するいびつな企業風土」「現場の声を拾い上げる意識の欠如」とあり、少なからず経営陣の責任を感じている。
──経営陣が関与していないと言い切れる根拠は何か。
兼重社長 営業・サービス・板金塗装部門の連携が取れておらず、それぞれが独立した会社のような運営方法を取っていた。他の部署はそういう不正の情報は入っていなかったと思う。板金塗装部門では、内部統制が機能していなかった。新社長のもとで内部統制をしっかり再構築してもらい、今の規模に合う組織を作り、顧客のために頑張ってほしい。
売り上げ全体から見ると、板金塗装部門は2〜3%。つい私の目が行くのは営業部門。利益しか見ておらず、現場でどのようなことが起きているか把握していなかったのは職務怠慢だと深く反省している。
和泉伸二専務取締役(新社長) 創業者が経営から退き、われわれが全員で力を合わせる。そのためには部門の垣根を超えた情報・理念の共有が大切と考え、組織づくりに着手する。
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