ルービックキューブの歴史を振り返ると、1次ブームのときも、2次ブームのときも、ある共通点がある。それはブームが長続きしなかったこと。しかし、今回は違う。感染症の定義が5類に移行して、街中でマスクをせずに歩いている人が増えている。巣ごもり需要が期待できない中でも、勢いが衰えていないのだ。
ちょっと話が変わるが、ルービックキューブが誕生して40年以上もたつのに、なぜこれほど多くのファンがいるのだろうか。「小さな子どもでも、すぐに理解できるから」「完成のスピードを競い合えるから」といった理由が挙げられるが、個人的には次の2つが大きいと思っている。
1つめは、6面を完成できる人はそれほど多くない。周囲から「スゲえ!」とほめられるので、うれしくなる。このことを誰かに伝えたくなる。2つめは、6面を完成させる人を見て、自分もやりたくなる。完成できれば、誰かに伝えたくなる。1つめと2つめの理由がぐるぐる回って、広がりを見せているのではないだろうか。
以前であれば「同じクラスの〇〇ちゃんがものすごく速く完成させる。その方法を教えてもらったので、自分も……」といったケースが多かったが、これだと影響力は限定される。しかし、今は動画サイトがある。ちょっと調べると、たくさんの人が「どのようにして攻略したのか」を披露している。しかも、そのワザを惜しみなく共有しているのが、興味深いところである。
こうした動きを見ていると、ブームの勢いはしばらく続きそうだ。
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