「ルービックキューブ」のブーム再燃、なぜ? 3次ブームの特徴に迫る経済の「雑学」(3/3 ページ)

» 2023年08月06日 08時02分 公開
[土肥義則ITmedia]
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広がりを見せている背景

 ルービックキューブの歴史を振り返ると、1次ブームのときも、2次ブームのときも、ある共通点がある。それはブームが長続きしなかったこと。しかし、今回は違う。感染症の定義が5類に移行して、街中でマスクをせずに歩いている人が増えている。巣ごもり需要が期待できない中でも、勢いが衰えていないのだ。

「形」「色」2通りの揃え方が楽しめる

 ちょっと話が変わるが、ルービックキューブが誕生して40年以上もたつのに、なぜこれほど多くのファンがいるのだろうか。「小さな子どもでも、すぐに理解できるから」「完成のスピードを競い合えるから」といった理由が挙げられるが、個人的には次の2つが大きいと思っている。

 1つめは、6面を完成できる人はそれほど多くない。周囲から「スゲえ!」とほめられるので、うれしくなる。このことを誰かに伝えたくなる。2つめは、6面を完成させる人を見て、自分もやりたくなる。完成できれば、誰かに伝えたくなる。1つめと2つめの理由がぐるぐる回って、広がりを見せているのではないだろうか。

「工芸ルービックキューブ 金沢箔 金箔」が登場

 以前であれば「同じクラスの〇〇ちゃんがものすごく速く完成させる。その方法を教えてもらったので、自分も……」といったケースが多かったが、これだと影響力は限定される。しかし、今は動画サイトがある。ちょっと調べると、たくさんの人が「どのようにして攻略したのか」を披露している。しかも、そのワザを惜しみなく共有しているのが、興味深いところである。

 こうした動きを見ていると、ブームの勢いはしばらく続きそうだ。

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