カフェの倒産が急増している。帝国データバンクの調査によると、1〜7月のカフェの倒産件数は44件。コロナ禍を上回るペースで推移し、過去最多を記録した。このペースが続けば、過去最多となった2020年の68件を超える可能性があるという。
倒産が急増している一方で、カフェの需要は徐々に回復している。昨今の外出制限の緩和や、企業の対面への回帰の流れでビジネスパーソンの休憩や商談利用なども増加。デリバリーサービスやテークアウトの利用も定着した。このような好環境にも関わらず倒産が相次いでいる背景として、同社はコーヒー豆の価格高騰が要因だと指摘する。
国内に多く流通するアラビカ種の価格は、22年平均で1キロ700円を超え、300円台で推移したコロナ前に比べると約2倍に高騰した。コーヒー豆以外の仕入価格や電気・ガスといった光熱費、アルバイトなどの人件費も上昇している。しかし、提供するコーヒーへの価格転嫁は遅れており、利益が出しにくい状態にあるという。
帝国データバンクは「厳しさが増す経営環境の中で、物価高に耐え切る経営体力に乏しい街のカフェの淘汰がさらに進む可能性がある」と指摘した。
調査は、負債1000万円以上の法的整理による倒産を対象に実施した。集計期間は1月1日〜7月31日。
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