夏休みシーズンを直撃、レジャー施設で相次ぐ値上げ 背景は?

» 2023年07月24日 11時20分 公開

 行楽需要が高まるなか、レジャー施設で値上げの動きが本格化している。帝国データバンクの調査によると、国内190カ所のレジャー施設のうち、61カ所が2023年中に値上げすることを発表(7月20日時点)した。22年までに値上げした施設は21施設で、全体の43%が値上げする、もしくは実施済みだ。

photo レジャー施設で値上げの動きが本格化(画像はイメージ、提供:写真AC)
photo レジャー施設の値上げ動向(出所:プレスリリース、以下同)

 施設別にみると、遊園地の値上げ実施率が最も高かった。遊園地の主要76施設のうち、約4割にあたる28施設が23年中に値上げする。

photo レジャー施設別 2023年に値上げする割合

 23年のレジャー施設全体の入場料を比較したところ、平均価格は1612円で、22年の1540円から4.7%(72円)上昇した。施設別でみると、遊園地のフリーパスの平均価格は4213円で、他施設に比べて大幅な値上げとなった。

photo 施設別 平均チケット価格

値上げの背景は?

 レジャー施設で相次ぐ値上げの背景には、特に電気代などエネルギー価格の増加が大きな影響を及ぼしているという。23年中に値上げする61施設に価格改定の理由を聞いたところ、約7割が「光熱費の上昇」と回答した。

photo 値上げ要因

 遊園地では遊具の稼働、水族館や動物園では飼育のためのポンプや空調機器の稼働で電気を消費する。運営面でのダメージが大きく、電気代の節減も難しいことから値上げに踏み切らざるを得なかった施設が多かった。

 帝国データバンクは「物価高を背景に、有料施設の利用回数や、施設内の飲食代などを抑えるなど節約志向が強まるとみられる。チケット代の値上げが、集客や利用金額に影響を及ぼす可能性がある」とコメントした。

 調査は、全国の主なレジャー施設(遊園地・テーマパーク・動物園・水族館)190カ所の入場チケットを対象に実施した。

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.