次は家計調査データを利用して、消費サイドからデータを見ていきます。なお、今回はラーメンへの消費をより広く捉えるため「中華そば(外出)」だけではなく「カップ麺」と「即席麺」の支出金額も合計した金額で集計を行っています。
首位はラーメン王国・山形をきん差で制した新潟が獲得。主戦場である「中華そば(外出)」では山形がわずかに上回っていたのですが、「カップ麺」と「即席麺」の合算では新潟が上回りました。なお、生産ランキングでは唯一ランク外だった東北勢宮城と「佐野ラーメン」で知られる栃木も食い込んできました。
山形と並んでラーメン好きで知られる新潟といえば「5大ラーメン」が有名です。「新潟あっさりしょうゆラーメン」「新潟濃厚味噌ラーメン」「燕三条背脂ラーメン」「長岡生姜醤油らーめん」「三条カレーラーメン」と、ラーメン評論家の石神秀幸氏が定義した“新潟4大ラーメン”+1となっています。雪国かつ南北に長い新潟のラーメン文化の幅の広さを感じさせるラインアップです。
ちなみに、ランキングを見ていると面白いのが「即席麺」の存在です。「中華そば(外出)」と「カップ麺」は上位陣も割と連動しているのですが、「即席麺」はバラつきが見られます。ラーメン好きにとっては「食べたいときにすぐに手間なく食べれる『カップ麺』なら許容するが、『即席麺』を作るくらいならいっそ食べに行く」というような感じなのかもしれませんね。
また、即席麺で上位に来ている熊本の該当企業を見ていると、五木食品の「アベックラーメン」、日の出製粉の「ロン龍ラーメン」といったご当地袋麺が有名です。こうしたご当地袋麺が持つ、お店とはまた違ったラーメンの魅力が地元民の胃袋をつかんでいるとも考えられます。
それでは、これまで見てきた「作って」「食べる」2つの指標をもとに、最もラーメンを作って食べている「ラーメン県」総合ランキングを発表します。評価方法は両方のランキングの1位を50点、47位を4点とし、それらを合算して100点満点とします。
総合首位は山形(99点)。以前の連載で「うどん県」を調査したときの、香川並みの高得点で、ラーメン王国の名にふさわしい結果となりました。2位以下も青森、岩手、福島、秋田となり、総合ランキングでもやはり東北勢が強かったですね。
消費ランキングで首位だった新潟は惜しくも6位でしたが、あらためてランキングを見ていくと北日本と北信越、日本海側の県が並んでいます。全国各地においしいラーメンは数あれど「寒い中で食べるラーメンは最高にうまい」ということだけは間違いなさそうです。
以上、最もラーメンを作って食べている「ラーメン県」都道府県別ランキングでした。それではまた別の機会に。
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