「うどん」関連企業が最も多い都道府県はどこなのか? 10年以上、毎日全国の企業データを眺めている筆者が調査・考察してみました。
筆者は、300万人以上が利用している完全無料の企業リスト作成サービス「FUMA」を運営しています。全国160万社の有力企業リストと独自に付与した4万種類の関連タグ(※)を組み合わせ、ランキングを作成しました。
(※)関連タグとはFUMAが独自開発した各企業の属性を表すキーワードです。例えばトヨタ自動車なら「電気自動車」「アメリカ」「マツダ」日清食品HDなら「ラーメン」「冷凍食品」「海外展開」等の関連タグを付与しています。メイン事業以外のサブ事業や業態等に関連するキーワードも多数収録しており、データベースに収録された全国の有力企業に対して、4万種類以上のキーワードをのべ1000万語付与しています。
まずはシンプルに、うどん関連の事業を展開する企業数を見ていきます。首位はやはり経済・人口規模が圧倒的な東京。その後に「かすうどん」の大阪、「味噌煮込みうどん」の愛知、「博多うどん」の福岡、「武蔵野うどん」の埼玉と、名物うどんを擁する中核都道府県が並んでいます。
それらをあっさり抑えて企業数ベースで2位に入ってくるのが「讃岐うどん」の香川。
もちろん、香川が名実ともに「うどん県」であることは疑う余地のないことですが、とはいえ、今回は個人店を除いた法人事業ベースのカウントで、かつ相対比ではなく絶対数なら、ひょっとして王者に死角もあるのではと思っていました(単純な絶対数なら東京は常に有利なので)。しかし全くありませんでした。
うどん関連に該当した企業を個別単位で見ていると、他の都道府県の関連企業が基本的に食品製造業や飲食業なのに対し、香川はそれらに加えて、例えば建設会社が“外食事業”としてなぜかうどん屋を1店舗だけ運営しているパターンもあったりします。
先日、クラウド会計ソフトのfreeeが本屋を始めましたが、香川では経営判断として「戦術はロナウド」ならぬ「戦術はウドン」という状況があり得るのでしょうか。あらためて「恐るべきさぬきうどん」です。
次に人口規模と関係なく、それぞれの県内でのうどん関連事業の存在感を確認するため「1000社あたりうどん関連企業が何件あるか」も見ていきます。こちらの首位ももちろん香川。2位に大差をつけました。ちなみに東京と比較すると14倍です。
そして、こちらでは2位に「稲庭うどん」の秋田、3位に「五島うどん」の長崎、4位に「水沢うどん」の群馬がランクイン。いわゆる日本三大うどん(定義は諸説あります)がそろい踏みです。なお、3位の長崎がトップクラスなのは間違いないのですが、「皿うどんも広義にうどんに含まれますか?」という問いには、少し審議が必要かもしれません。
他にも10位に「伊勢うどん」の三重、12位に「氷見うどん」の富山、15位に「津山ホルモンうどん」の岡山、と個性豊かな名物うどん県が上位に進出しています。
ちょっと面白いのが5位に香川の隣の徳島、6位に秋田の隣の山形、7位に群馬の隣の栃木、9位に長崎の隣の佐賀がランクインしています。三大うどんクラスとなると、各うどん圏の影響力の広さも感じさせます。
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