最もラーメンを作って食べている「ラーメン県」はどこなのか? 10年以上、毎日全国の企業データを眺めている筆者が調査・考察してみました。
筆者は、300万人以上が利用している完全無料の企業リスト作成サービス「FUMA」を運営しています。全国160万社の有力企業リストと独自に付与した4万種類の関連タグ(※1)に家計調査データ(※2)を加え、ランキングを作成しました。
(※1)関連タグとはFUMAが独自開発した各企業の属性を表すキーワードです。例えばトヨタ自動車なら「電気自動車」「アメリカ」「マツダ」、日清食品HDなら「ラーメン」「冷凍食品」「海外展開」などの関連タグを付与しています。メイン事業以外のサブ事業や業態などに関連するキーワードも多数収録しており、データベースに収録された全国の有力企業に対して、4万種類以上のキーワードをのべ1000万語付与しています。
(※2)今回は家計調査データとして、総務省統計局の家計調査(二人以上の世帯)品目別都道府県庁所在市及び政令指定都市ランキング (2020年〜22年平均)を利用して、各県庁所在市の1世帯当たり品目別年間支出金額を、各都道府県の消費傾向データとして扱っております。
まずは生産サイドから「ラーメン」関連事業を展開する企業数を見ていきます。人口や経済規模と関係なく比較するため「各都道府県の有力企業1000社当たりにラーメン関連企業が何社あるか」を集計した結果がこちらです。
首位は「ラーメン王国」と名高い山形が獲得。2位以下も岩手、秋田、福島、青森と東北勢が続いているところを見ると、やはり「寒さ」という要素がラーメンの需要を大きく底上げすることは間違いなさそうです。
とはいえ、その中でも頭一つ抜けた存在といえる山形。ラーメン王国の始まりは1923年、関東大震災で被災した横浜中華街の華僑の人達が移住し、屋台でラーメンを提供するようになったのがきっかけといわれています。その後、ラーメン山形が王国にまで発展した理由としては、
(1)もともとそば文化圏であり、多くのそば屋で自家製ラーメンが提供されている
(2)来客時などのおもてなしに出前を振る舞う習慣があり、当然ラーメンも人気メニューとなっている
(3)盆地で夏は暑いなか「冷やしラーメン」がヒットし、夏場も消費量が落ちない
といった点が挙げられることが多いです。
ちなみに4位の「喜多方ラーメン」を擁する福島と並んで、日本3大ラーメンといわれる「札幌ラーメン」の北海道と、「博多ラーメン」で知られる福岡は、1000社当たりでは最上位こそ逃したものの、企業数ではそれぞれ2位と5位にランクインしています。
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