ギャップの日本法人・ギャップジャパンによると、国内の店舗数はアウトレットを含めると「ギャップ」が128店、「バナナ・リパブリック」が46店(23年4月29日時点)となっている。
ビジネスコンサルタントの小島健輔氏によれば、日本法人の年商は500億円強と推定される(出所:「WWD JAPAN『ギャップ』はなぜ凋落したのか? 市場と調達、組織の3要因を分析【小島健輔リポート】」)。15年には推計1060億円を売り上げていたとされるので、約8年で半減したことになる。
ギャップはコロナ前からの縮小傾向が否めず、17年には低価格帯を担う「オールドネイビー」が、全53店を閉店。日本上陸から5年を待たずに早々と撤退している。
17年には渋谷店も閉めた。19年にも原宿にあった旗艦店を閉めるなど、著名カジュアルブランドにもかかわらず、広域渋谷圏(渋谷と渋谷から1駅圏を含む経済圏)から店舗がなくなっていたのだ。
実はギャップの不振は日本だけではなく、世界的な傾向だ。20年10月には、23年度末までに北米店舗の35%を削減し、ショッピングセンター外とECに注力すると発表していた。一方で、35%に含むのはギャップとバナナ・リパブリック。低価格帯のオールドネイビーは、3年で売り上げを80億ドルから100億ドルに引き上げるべく、年間30〜40店の新規出店を同時に明かしている。
日本と同様に米国でも物価高が顕著で、中・低所得者層の若者が衣服にかけられる資金が乏しくなり、低価格のオールドネイビーしか買えなくなってきている現状があるようだ。ところが、日本だとオールドネイビーは、同じ価格帯で競合するGUなどに圧倒されて、既に撤退してしまった。そこが北米とは異なる事情だ。
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