武器は「食べ放題」「あふれる無料サービス」 超駅近ホテル「安心お宿」はどんな客層を狙っているのかライバルはビジネスホテル(1/5 ページ)

» 2023年08月29日 05時00分 公開
[昆清徳ITmedia]

 カプセルホテル「安心お宿」が、独自戦略を次々と打ち出している。2012年に1号店をオープンした後、現在は「新橋汐留店」「新橋駅前店」「荻窪店」「新宿駅前店」「秋葉原電気街店」「名古屋栄店」「京都四条烏丸店」を展開するまでに成長した。基本的には男性用だが、京都の店舗は男女に対応している。

 ユニークなサービスを提供している豪華なカプセルホテルとして度々メディアにも登場しているが、現在はどういったサービスを提供しているのだろうか。都内にある店舗を訪問し、運営会社であるサンザ(東京都新宿区)の担当者に話を聞いた。

どんなサービスを提供しているのか

駅近に出店

 立地は超「駅近」が特徴だ。例えば、新宿店は新宿駅東南口から徒歩90秒、新橋店は新橋駅烏森口から徒歩30秒とアピールしている。

 施設によって多少の差はあるが、1泊2日のプランで最も安いのは平日の5500円だ。公式Webサイトで確認すると、金曜日には7500円、土曜日には8500円というケースもある(8月28日時点、新橋駅前店の場合)。

 料金に関しては、安さを追求したカプセルホテルよりは高く、大手のビジネスホテルチェーンよりは安いというイメージだ。「普段旅行や出張でビジネスホテルを使っているが、カプセルホテルは未体験」というユーザーを狙っている。また、外国人旅行客や近隣の飲食店で夜遅くまで働く従業員などの需要も取り込もうとしている。

 コンセプトは「よくばりなホテル」だ。同社営業推進室副責任者の布目和彦氏は「便利さや、単なる素泊まり施設ではなく、普通のビジネスホテルよりも館内で過ごす上での満足度、充実度にもこだわっています」「あらゆるサービスがインクルードされたモデルのため、館内で追加購入することなくあれもこれも『無料』で利用できるようにしています」と強調する。

 例えば、施設内の朝食、夜食、ソフトドリンク、アルコールドリンク、個室型ワークブース、漫画、整髪料などを無料で提供している。そして、無料サービスの種類が“破格”ともいえるボリュームなのだ。

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