「やよい軒」といえば、ご飯のお替わりが自由な定食チェーンとして知られている。定額でお腹いっぱい食べられる点から、男性を中心にやよい軒を訪れる人も多いことだろう。やよい軒を運営するプレナス(東京・中央区)は2月に上場廃止したため、今後の方針が見えにくくなったようにも感じるが、最近の集客施策を見てみると、やはり男性客をターゲットとしているようだ。今回は、やよい軒の特徴とライバルとしてあげられる「大戸屋」との違い、そして近年の業績についてまとめた。
運営元のプレナスは、弁当チェーン「ほっともっと(Hotto Motto)」を主な事業としている。2022年2月期の業績を見ると、ほっともっと事業の売上高は1060億円であるのに対し、やよい軒事業は254億円しかない。
もともと弁当チェーン「ほっかほっか亭(※)」のフランチャイジー事業を手掛けていたプレナスは、1989年に丼ぶり・定食を扱う「めしや丼」をオープン。同チェーンは02年に100店舗を達成した。やよい軒・1号店をオープンしたのは04年だが、06年にめしや丼を全てやよい軒に統一したことで店舗数が一気に増加。12年に国内200店舗を達成した。
※ほっかほっか亭のフランチャイズ(FC)本部と商標権を巡って争った結果、プレナスは自社傘下で2000店舗以上展開していたほっかほっか亭をほっともっとに転換した。現在ではほっともっとが持ち帰り弁当業界で1位の規模を誇る。
その後、16年には300店舗を超えて、23年2月期末時点で国内は364店体制となっている。メニューの詳細は後述するが、多種類の定食をリーズナブルな価格で提供している点と、ご飯のお替わりが自由な点が成功した理由といえよう。
ちなみに国外を見ると、タイで現地法人がやよい軒のFC店を200店舗近く展開しており(23年2月期第3四半期末時点)、海外店のうち約8割を占める。国内と同じく和定食をベースとしているが、ある程度の“現地化”もされているようだ。
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