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1on1で「やりたいこと」を聞いても「ない」と言われる――もしかして、聞き方が悪い?Q&A Z世代部下のマネジメント法

» 2023年08月31日 07時00分 公開
[サトウナナミITmedia]

Q&A Z世代部下のマネジメント法

 マネジャーの仕事は、一筋縄ではいきません。「部下に指導しなくてはいけないが、ハラスメントにならないか怖い」「指示通りに動かない部下に、どう対応したら良いのか」など、Z世代をマネジメントする上司の尽きないお悩みに、リクルートマネジメントソリューションズが回答します。


Q: 1on1で部下に「やりたいこと」を毎回聞いていますが、若手の部下から具体的な回答が得られません。もしかして、私の聞き方が悪いのでしょうか? 部下から「やりたいこと」を引き出すにはどうしたらいいでしょうか?

photo 1on1で「やりたいこと」を聞いても出てこない もしかして聞き方が悪い?(画像はイメージ、提供:ゲッティイメージズ)

A: 日ごろの業務内で声をかけることで、やりがいを持って仕事に取り組んでいる場面を自覚させるといいでしょう。

「こういうときに頑張る人だよね」と自覚を促す声かけを

 昨今は「キャリア自律」や「エンゲージメント」が重要視され、部下自身が業務に対して前向きな意味づけして働いていくことが是とされています。一方で、1on1やキャリア面談などで、上司が意気込んで「やりたいこと」について質問をしても、部下から具体的な答えが得られない、というのはよくあるケースです。

 幅広い視点で考えると、例えば「任された仕事をきちんと遂行したい」「周りの人に喜んでもらいたい」「組織の中で活躍する人になりたい」という思いは全て「やりたいこと」として捉えられます。

 一方、部下本人にとっては、それらの思いに対して「自らやりたい」という意志を持っているとは限らないので、「やりたいこと」と聞かれても具体的な答えを出せないという状況に陥ってしまう。そのため「やりたいことは特にないです」といった反応になってしまうのです。

 このような状況を改善するためには、部下が「どのような場面でやりがいを見いだしているのか」「どのようなときにイキイキと喜怒哀楽を表現し、仕事に取り組んでいるのか」などを日ごろから観察し「あなたってこういうときに頑張る人だよね」というように、声をかけてあげることが重要です

 このような声かけが、部下自身の自覚につながり、やりたいことを言語化する助けとなります。気づいた部分があれば日頃から声をかけるようにしましょう。

 この声かけは上司だけでなく、同僚や先輩からでも有効です。部署内で声かけを積極的に行う環境を作ることも1つの方法です。

 別の視点では、まだ「やりたいこと」が見つからなくても、それが見つかるまで「やれること」を増やしていこう、と合意を得ることも実践的だと思います。

 いずれにしても、部下が肩ひじ張らずに「やりたいこと」や「やれること」を自覚できる環境を整えることが重要です。

話を聞いた人:荒金 泰史(あらがね・やすし)

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リクルートマネジメントソリューションズ HRM統括部HRMサービス開発部INSIDESエンタープライズグループ マネジャー/主任研究員 

入社以来、アセスメントサービスの開発・営業に従事し、企業の人事課題に対し、データ/ソフトの両面からソリューションを提供/実証研究を重ねる。上司と部下の1on1、入社者の早期離職、メンタルヘルス予防、エンゲージメント向上、組織開発に詳しい。現場マネジャーに部下との関わり方をアドバイスするHRテクノロジーサービス『INSIDES』の開発責任者を務める。

書籍:『人事・経営陣に知ってほしいエンゲージメントの “真” 常識』(翔泳社)

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