その後、富士フイルムではチェキのラインアップを拡充。14年にはスマホで撮影した写真をチェキのフィルムでプリントできるスマートフォンプリンターを発売。17年にはデジタルデータを本体に保存して、プリント前に画像編集・加工ができるアナログとデジタルのハイブリッド機種を発売した。
かわいいデザインばかりでなく、幅広い層が好むようなスタイリッシュなデザインの機種もそろえた。その結果、ユーザーは女性のミドル・シニア層だけでなく、男性にも広がった。グローバルで高い支持を得たのがハイブリッドカメラだったという。
一方で、既存のチェキの愛用者や社内から「チェキはアナログだからいいんでしょ」とネガティブな意見も少なくなかったと高井氏。
「『ハイブリッドにしたらデジカメと変わらないよね』と。その論争は今もありますが、チェキの一番の魅力はプリントした写真にあるのであって、そこに行き着くまでのプロセスは、どんな方法でもいいだろうと捉えています。ラインアップ拡充の目的は、チェキプリントの価値をより広く届けるためです」
それからも「なぜユーザーがチェキを好むのか」を探り続けた。その結果をもとに、富士フイルムでは19年にチェキのタグラインを一新。それが「don’t just take, give.」で、日本語では「とるだけじゃない、あげたいから。」とした。
「チェキシリーズの存在価値を一言で表したのが、このタグラインです。以前は各国の現地法人ごとにバラバラだったのですが、これを機に全世界で統一するように。それ以降は商品企画やプロモーションツールなど、すべてタグラインに沿っています」
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