大企業と中小の間に「中堅企業」検討 対象は?

» 2023年11月08日 08時15分 公開
[産経新聞]
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 経済産業省は7日の有識者会議で、法令で定義されている大企業と中小企業の間で従業員2000人以下の企業を「中堅企業」と新たに位置付ける案を示した。賃上げや設備投資に意欲的な中堅企業に対し、税制面で優遇する支援策も検討する。来年の通常国会に産業競争力強化法など関連法の改正案の提出を目指す。

 同日の会議で、西村康稔経産相は「国内投資や(産業の)新陳代謝を進める経済政策の実施に法制面での対応が必要だ」と指摘。産業競争力強化法改正に向けた検討を進めるように指示した。

 経産省は現在、大企業に分類されている上場企業のうち、約1400社が対象になると見込む。

 現行の法令では、中小企業基本法で定義する中小企業を除けば、国内だけで事業を行い、常時雇用する従業員が数百人の企業も、従業員が数万人規模で国内外で事業活動を行うグローバル企業も同様に大企業に分類されてきた。

 経産省によると、従業員が2000人を超えると労働生産性が高まる傾向がある。中小企業から大企業へ成長する過程の中堅企業への支援を手厚くすることで、国内での投資促進や人材育成にもつなげたい考えだ。

 日本では、中堅企業から大企業へと成長した企業の割合は欧米に比べて低く、韓国や台湾では中堅企業を支援する政策も打ち出されている。法改正や政策面で中堅企業を支援することで、産業の新陳代謝を進める役割も期待されそうだ。

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