このDQウォークは言うまでもなく、シリーズ累計で8800万本以上を売り上げているゲーム『ドラゴンクエスト』をモチーフにして制作されている。
イベント期間中は、『ドラゴンクエスト』の世界ではおなじみ「スライム」や「キラーマシン」をベースとして作られた“キラーピッチングマシン(本作のパ・リーグ6球団コラボの際に始球式に登場)”と記念撮影ができたり、DQウォーク内で人気が高い名物モンスター「カンダタ」と麻雀卓を囲んだりできる。各スポットを歩いて巡るだけで、まるで『ドラゴンクエスト』の世界に入り込んだかのような演出が、しっかりとなされているのだ。
しかも「イベントのために!」「健康のために!」と身構えなくても、参加者は軒並み1万〜2万歩ほど歩いている。このアプリの強みは「楽しく体を動かす」状態に自然に誘導できることであり、こうした傾向は参加者の様子からも読み取れた。
また、運営側によると、DQウォークは30〜40代のアクティブユーザー(一定の利用があるユーザー)が中心とのことだが、今回のリアルウォーキングイベントでは、子どもを連れた若いファミリー層の来場も目立っていた。
この世代は、子どもの頃に家庭用ゲームハードを通じて『ドラゴンクエスト』に慣れ親しんでおり、DQウォークの世界にもすんなり入っていける。かつ、このゲームは経験値に必要な“モンスターとのバトル”をフルオートで行う機能があり(ウォークモード)、育児や仕事に追われる人々でもスキマ時間にプレイできるのだ。
親に連れられて来場した子どもたちを見ると、スマートフォンのゲーム画面を親と一緒にのぞき込んだり、帽子やTシャツ、ズボンや小物まで『ドラゴンクエスト』グッズを着用していたりする。親と子のコミュニケーションツールとして、『ドラゴンクエスト』やDQウォークが機能している様子がうかがえる。
会場の様子を見ると、リアルウォーキングは準備段階で相当な経費と手間がかかっているであろうことがうかがえる。ゲームを運営するスクウェア・エニックスは、なぜ十分に収益を挙げているDQウォークの、リアル開催にこだわったのだろうか。同社の柴貴正プロデューサーに開催の経緯を聞いた。
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