一方、日本医師会は医療従事者の賃上げへプラス改定を求めている。財務省の調査は「恣意的なものだ」(松本吉郎会長)と猛反発する。
これに対し、財務省は内部留保にあたる利益剰余金で賃上げの原資を確保できるとした。診療所の剰余金は2年から4年の2年間で平均1900万円増加。診療所の医療従事者の3%の賃上げに伴う人件費増は年間140万円と試算しており、剰余金の増加分を使えば約14年間分を賄えるとみる。賃上げに取り組んだ場合には法人税を優遇する「賃上げ促進税制」も活用できると指摘する。
診療所の報酬単価を5.5%引き下げると、保険料負担は年間約2400億円減り、医療費全体を1%程度押し下げる効果が見込まれる。財務省は医療に投じる国費や保険料の伸びを抑えるためにもマイナス改定を目指しており、年末に向けて激しい攻防が繰り広げられそうだ。(万福博之)
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