開示情報に基づくと、SHEINは上場に向けて米議会の支持を得るため、今年に入って128万ドルをロビー活動に投じてきた。各議員との個人的な面会も設定しており、その相手には批判派の大物も含まれる。
事情に詳しい関係者の一人は、SHEIN側が中国からサプライチェーンをインドなどに分散する努力をしていると強調したと明かした。
それでも共和党のマルコ・ルビオ上院議員は、ロイターに「SHEINは基本的に中国企業であり、投資家は中国企業の(株式)売り出しにはこの上なく注意してかからなければならない。同社が上場を目指せば事業慣行、とりわけ奴隷労働や米国の通関規則逃れとの関連への注目度が増すはずだ。私は、IPOに先立つSHEINの情報開示を注視していく」と語った。
ルビオ氏は今年6月、他の上院議員宛て書簡で、SHEINのロビー活動を批判している。
同じ共和党の下院議員で中国問題に関する議会・行政府委員会の議長を務めるクリス・スミス氏も、SHEINのロビー活動に厳しい目を向ける。
スミス氏は「SHEINの投資家は誰であれ、特に米議会が強制労働に終止符を打ち、中国企業向け輸入補助金を撤廃しろと要求している以上、SHEINのビジネスモデルにかかわる重大なリスクを警戒するべきだ」とくぎを刺した。
SHEINは、アパレル企業が使用する綿花の産地を特定する技術を持つオリテインと提携している点をアピールしている。このオリテインの技術は、米政府も綿花が新疆ウイグル自治区産でないかどうか調べるために利用している。
SHEINは以前、ロイターに対し、外部の工場から仕入れた綿のサンプル全てを検査していると説明した。
ただ、SHEINのそうした検査でも、毎年世界中に輸出している膨大な衣料品を十分にチェックできないとの声が出ている。
こうした中で弁護士のペニック氏は、SECがSHEINのIPOをどう扱うかが、TikTok(ティックトック)やピンドゥオドゥオ傘下のテムなど将来、米国での上場を検討するかもしれない中国系企業にとって、重要な影響を及ぼすだろうと予想している。
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