キャラクターの変更は想像以上の反発を招くケースがある。全国でディスカウントストアを展開するドン・キホーテは令和4年12月、公式キャラクターについて、25年近く親しまれた青いペンギンの「ドンペン」から変更すると発表。ところがSNS上では反対の声が噴出し、わずか7時間後、同社は「お客さまの『ドンペン』への思いを再確認した」として交代を撤回した。
一方で、交代を成功させたのがおやつカンパニー。平成28年、スナック菓子「ベビースターラーメン」のキャラクターを約30年にわたって務めた「ベイちゃん」の引退を発表し、翌年から「ホシオくん」が引き継いだ。
発表当初は惜しむ声も大きかったが、経営陣は「企業もキャラもおよそ30年で陳腐化する」として交代を進め、新キャラクターを受け入れてもらおうと、名前の公募やキャンペーンを展開して「若い世代を中心に、早期に受け入れていただけた」(担当者)という。
また、亀田製菓は今夏、ロングセラー商品「ぽたぽた焼」のパッケージのおばあちゃんのイラストを昭和61年の発売以来初めて変更すると発表したが、新イラストは人気絵本作家が描き下ろしていることもあり、歓迎する人も多い。
近畿大経営学部の川村洋次教授は「広く認知されたキャラは企業だけでなく消費者のものでもある。大きな変更は折り合いをつけるのが難しい」と指摘する。そのため新キャラクターの定着には「複数の案を提示したり、名前を公募したり、ファンの意見をくみ取るような合意プロセスを踏むことが重要」とする。
今回ヤンマーの事例については「合意のプロセスは踏んでいるように見える」という。今後新デザイン案が受け入れられるかどうか、展開が注目されている。
(桑島浩任)
copyright (c) Sankei Digital All rights reserved.
Special
PR注目記事ランキング