中国人富裕層は当局の規制をかいくぐる形で、金の延べ棒や、換金した外貨を航空機内の手荷物の中に忍ばせることもある。
また、香港で銀行口座を開設し、海外の貯蓄型保険商品を購入するため送金も行うという。NYT紙によると、香港・九龍半島の銀行前では、開店1時間半前の7時半から、本土から来た中国人の長い行列があった。人気商品は3万〜5万ドル(約440万〜740万円)。富裕層や中国民間企業が今年、海外に毎月持ち出している額は推定500億ドル(約7兆3500億円)に上るという。
中国はコロナ禍の約3年間、厳格な「ゼロコロナ」政策を敷き、都市封鎖(ロックダウン)をはじめ極端な政策が自国経済に大きな打撃を与えた経緯がある。
個人投資家の投機対象となっていた不動産市場も今、低迷を続け、富裕層の視線が海外に一斉に向いている。
習近平政権は今年7月、スパイ行為の定義を拡大した改正反スパイ法を施行するなど独裁体制を一段と強化しており、富裕層の間では、国内締め付けへの懸念も確実に広がっている。
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