オンライン通販の需要の高まりなどにより、店舗からの客離れが進む中、店でしか体験できないサービスや情報提供に力を入れる小売り店舗が注目を集めている。こうした中、カジュアル衣料品大手「ユニクロ」は先月、大阪・ミナミの心斎橋筋に大阪の街並みを再現したユニークな商業施設をオープン。単に服を売る場所ではなく、ミナミの新名所としての存在感を高めようと、来店動機につながる工夫を凝らしている。
11月下旬。新型コロナウイルス禍がある程度収束し、インバウンド(訪日外国人客)が復活する中、心斎橋筋商店街に新たに登場した「UNIQLO SHINSAIBASHI(ユニクロ・シンサイバシ)」には、多くの観光客らの姿が見られた。
名古屋市から来たという観光客の女性(32)は「見たことのない派手な店舗だったので、面白そうと思って立ち寄った」と話す。
新店舗の外観は発光ダイオード(LED)照明や黄色の文字を張りめぐらせた華やかな見た目で、ガラス越しに内装の様子も見えるつくりとなっている。入店してまず目に飛び込んでくるのは商店街のゲートをイメージしたような赤色のネオン電飾や、「おおきに」「まいど」など“こてこて”の大阪弁が書かれた看板。店内BGMには、「浪速のモーツァルト」として知られるキダ・タロー氏がこの店舗のために書き下ろしたというオリジナルソングが流れる。
4階の「スペシャルエリア」では、老舗和菓子店「喜八洲(きやす)総本舗」(大阪市淀川区)や、喫茶店のミックスジュース味を再現した「みっくちゅじゅーちゅ」で有名な「日本サンガリアベバレッジカンパニー」(大阪市東住吉区)など大阪を代表する企業とのコラボレーション商品をPRするコーナーを設置。まるでミナミの繁華街を歩いているような目で見て楽しい“交流サイト(SNS)映え”する空間が観光客らの注目を集めている。
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