筆者にとって、チックフィレのフライドチキンはKFCよりもおいしいと感じます。それは使っている油からも分かります。チックフィレのチキンはオレイン酸が多く含まれ、健康にも良いとされるピーナッツオイル(落花生油)を使って揚げています。格子状のワッフル・フライド・ポテトもピーナッツオイルで揚げており、チックフィレは全米最大の落花生油バイヤーでもあります。
チックフィレで大人気となるレモネードはレモンと砂糖と水だけで作られています。保存料などが入っていないため、その場でレモンを絞って作るのでフレッシュなのです。チックフィレはサンキスト・レモンを年間2.5億個も購入しており、レモネードは年間1.21億杯提供しているといいます。
レモンを思い出す以上に、カーネル氏がさらに酸っぱい顔になりそうな事実があります。チックフィレの1店舗あたりの売り上げです。
市場調査や消費者動向に関するデータや統計を提供する世界最大級のプラットフォームのスタティスタ(Statista)によると、20年の1店舗あたりの売上高でチックフィレは堂々の1位。なんと501万ドル(約7.5億円)にも上っていました。
2位は全米に600店を展開するレイジング・ケインズ(Raising Canes)ですが、同社の385万ドル(約5.8億円)をチックフィレは30%も上回っているのです。3位はテキサス州を地場に900店弱を展開するワッタバーガー(Whataburger)。4位はイン&バーガー(In-n-Out Burger)の306万ドル(4.6億円)です。
5位に外食チェーンの巨人であるマクドナルドの294万ドル(4.4億円)が入ってきます。KFCは1店舗あたりのファストフードチェーンの売上高ランキングで20位以内に入っていません。
チックフィレが公開した400ページ超におよぶフランチャイズ開示文書(Franchise Disclosure Document)の64ページ目に、1店舗あたりのリアルな年間売上高が記述されています。モールなどに出店する小型店を除く国内店(約1800カ所)の1店舗あたりの売上高の中間値は796万9510ドル(約12億円)とあります。1店舗あたりの売上高の平均は814万2257ドル(約12億円)。しかも国内1800店の31%となる優良店は900万ドル(約13.5億円)を超えているとの記述です。
日本マクドナルドHDは21年12月期通期決算で1店舗あたりの平均月商が上場以来最高となる約1800万円となりました。外食業界の巨人も1店舗あたりの年間売上は2.2億円。チックフィレの米国での人気ぶりが分かると思います。
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